美香が見つめると、線路沿いにある駐輪場の向かいで、小さなイタリアンレストランのオレンジ色の明かりが窓から漏れていた。
店の前には手入れのされた植物の鉢がおしゃれに並べられ、その植物の間には小さなコルクボートが立っていて、『本日のメニュー』が書かれている。
結衣は水色の扉を開く。
オレンジ色の星が散りばめられたかのような店内に足を進めると、暖かい空気が結衣と美香を包み込んだ。
こじんまりとした店内にはゆったりとした外国の音楽が流れ、クリーム色と緑色の壁にかけられたリースや手づくりのオーナメントが微かに揺れている。
心地よいほどの人々の笑い声に、食欲をそそるクリスマスディナーの香り。
「美香、メリークリスマス」
扉から1番はなれた奥のテーブルから、春奈が小さく手を振っている。
結衣はテーブルに近づいて、自分のカバンの置いてある椅子に腰をかけた。
「結衣ちゃん、お迎えおつかれさま」
洋子が愛嬌のある笑顔で言った。
春奈の向かい、結衣の右隣の席に、美香はコートを脱いで腰をかけた。
「授業があるときは毎日のように会ってたのに、ここ数ヶ月はぜんぜん会えなかったね」
美香が長いきれいな指で髪を耳にかけながら言った。
「大学卒業したら、1年に1回ぐらいになっちゃうのかな」
美香の言葉に春奈は眉根をさげながら答える。
「わたしが会いに行くよ。みんなは、『どんなに忙しくても時間とって会いたい人リスト』に入ってるんだから」
「光栄だけど、そんなリストあったんだ」
結衣が笑いながら言うと春奈はしっかりとうなずく。
「みんなは、私が厳選に厳選を重ねた心の友だよ」
洋子は春奈の小さな手のひらを両手で包んで、同じような表情をしながら感動を口にする。
「そっかぁ春ちゃん、ありがとう。」
洋子も春奈も目がうるうるしている。
美香は変わらず整った表情で、目が合った奥のシェフに料理を運んでくれるように目配せした。
店の前には手入れのされた植物の鉢がおしゃれに並べられ、その植物の間には小さなコルクボートが立っていて、『本日のメニュー』が書かれている。
結衣は水色の扉を開く。
オレンジ色の星が散りばめられたかのような店内に足を進めると、暖かい空気が結衣と美香を包み込んだ。
こじんまりとした店内にはゆったりとした外国の音楽が流れ、クリーム色と緑色の壁にかけられたリースや手づくりのオーナメントが微かに揺れている。
心地よいほどの人々の笑い声に、食欲をそそるクリスマスディナーの香り。
「美香、メリークリスマス」
扉から1番はなれた奥のテーブルから、春奈が小さく手を振っている。
結衣はテーブルに近づいて、自分のカバンの置いてある椅子に腰をかけた。
「結衣ちゃん、お迎えおつかれさま」
洋子が愛嬌のある笑顔で言った。
春奈の向かい、結衣の右隣の席に、美香はコートを脱いで腰をかけた。
「授業があるときは毎日のように会ってたのに、ここ数ヶ月はぜんぜん会えなかったね」
美香が長いきれいな指で髪を耳にかけながら言った。
「大学卒業したら、1年に1回ぐらいになっちゃうのかな」
美香の言葉に春奈は眉根をさげながら答える。
「わたしが会いに行くよ。みんなは、『どんなに忙しくても時間とって会いたい人リスト』に入ってるんだから」
「光栄だけど、そんなリストあったんだ」
結衣が笑いながら言うと春奈はしっかりとうなずく。
「みんなは、私が厳選に厳選を重ねた心の友だよ」
洋子は春奈の小さな手のひらを両手で包んで、同じような表情をしながら感動を口にする。
「そっかぁ春ちゃん、ありがとう。」
洋子も春奈も目がうるうるしている。
美香は変わらず整った表情で、目が合った奥のシェフに料理を運んでくれるように目配せした。