ユイはキャスケットたち魔法使いと、ルークたち前衛の間に立ち、からくり人形をあやつっていた。

 自分が1番コロナタの体力を削っていないことは分かっていた。

 コロナタとは無論、メンバーともレベルが違いすぎる。私なんていなくても同じ。

 それでも、コロナタに斬りつけるルークの剣筋や狩人の弓の破壊力、背後から放たれる様々な魔法の光。それらを見ているうちに、武者震いがとまらなくなっていた。

 コロナタは明らかに弱り始めている。

 強い、本当にこのパーティは強い。

 これが冒険者のそれぞれの能力を活かした前衛と後衛の戦いの陣形なのか。

 ユイはできる限りミスをしないことだけに意識を集中して、オートマトンに攻撃命令を出し続けた。

「ユイ!」

 キャスケットの声が飛ぶ。

「あなたも攻撃して!最後、一気にきめるわよ!」

 ユイは腰にさしたままだった短剣を二本抜いて両手に構えながらコロナタに連続で切りかかった。

 あたらしいダメージにコロナタの注意がユイに向いた瞬間、ルークが炎の属性を帯びさせた剣をコロナタに突き刺した。

 狩人はそれに続けと、同じく炎をつけた何百本の矢を同時に放った。コロナタの体に火の豪雨が降り注ぐ。

 それを待っていたかのように、キャスケットの横にいた魔法使いが両手を高く掲げると、見たことが無い大きさの炎の玉が発生し、上空に飛んでいくと、コロナタの頭上で一気に炸裂した。