「なにかっこつけてるの、あんたなんかただのPKでしょ」
ふいに倒された怒りがふつふつとわきあがってきた。
「よくも私のオートマトンを壊してくれたわね!修理に一日無駄にしたんだから!」
「弱いやつがなに言ってるんだ。オートマトンを守れなかったのはお前の責任だろ?」
ユイは言葉に詰まる。
「それに、俺はこいつらよりはましだと思うぞ。俺は少なくともこの世界をゲームとして楽しんでるからな。こいつらはコロナタが落とすレアなアイテムを独り占めしたいがために、お前らが倒されてコロナタの占有権がうつるのをただ待ってるんだぜ」
「こんなに人が倒されてるのに、なんでそこまでしてアイテムがほしいのよ!」
「レアアイテムハンターはそうやってGoldを稼ぐわけだし、業者なんて生活がかかってるからな。甘い事言ってられないんだよ」
「業者?」
「聞いたことないか?ゲーム内のレアな装備品やGoldを、プレイヤーが現実の金で業者から買い取るんだ。1万Goldを1000円とかで。それをRMT(リアルマネートレード)ていうんだよ。―――どうする?俺を仲間にするのか、しないのか。早く決めたほうがいいと思うぞ」
広場ではキャスケットが真空の守りを体の前に張って、コロナタの攻撃をかろうじて防いでいた。
完全に回復しているとはいえ、回復魔道士1人で倒せる敵ではない。
ユイは手のひらを握り締めながら口を開いた。
「……助けて」
「よしっ」
ルークが細身の剣を構え、コロナタのほうへ足を踏み出したとき「俺たちも入れてくれないか」と声が投げられた。
見れば大きな弓を背負った狩人の男と、黒いフードを目深に被った長いローブの攻撃魔道士の女が近づいてきた。
「私たち、キャスケのフレなの」
「うわあ」
ユイはその申し出に嬉々として泣きそうになりながら答える。
「ぜひ一緒に戦ってください」
「いやだっ」
ユイはルークを振り返る。
ルークは皆に背を向けたまま続けた。
「でも、まあ、戦利品いらないっていうんなら、パーティに入れてやってもいいけど」
ふいに倒された怒りがふつふつとわきあがってきた。
「よくも私のオートマトンを壊してくれたわね!修理に一日無駄にしたんだから!」
「弱いやつがなに言ってるんだ。オートマトンを守れなかったのはお前の責任だろ?」
ユイは言葉に詰まる。
「それに、俺はこいつらよりはましだと思うぞ。俺は少なくともこの世界をゲームとして楽しんでるからな。こいつらはコロナタが落とすレアなアイテムを独り占めしたいがために、お前らが倒されてコロナタの占有権がうつるのをただ待ってるんだぜ」
「こんなに人が倒されてるのに、なんでそこまでしてアイテムがほしいのよ!」
「レアアイテムハンターはそうやってGoldを稼ぐわけだし、業者なんて生活がかかってるからな。甘い事言ってられないんだよ」
「業者?」
「聞いたことないか?ゲーム内のレアな装備品やGoldを、プレイヤーが現実の金で業者から買い取るんだ。1万Goldを1000円とかで。それをRMT(リアルマネートレード)ていうんだよ。―――どうする?俺を仲間にするのか、しないのか。早く決めたほうがいいと思うぞ」
広場ではキャスケットが真空の守りを体の前に張って、コロナタの攻撃をかろうじて防いでいた。
完全に回復しているとはいえ、回復魔道士1人で倒せる敵ではない。
ユイは手のひらを握り締めながら口を開いた。
「……助けて」
「よしっ」
ルークが細身の剣を構え、コロナタのほうへ足を踏み出したとき「俺たちも入れてくれないか」と声が投げられた。
見れば大きな弓を背負った狩人の男と、黒いフードを目深に被った長いローブの攻撃魔道士の女が近づいてきた。
「私たち、キャスケのフレなの」
「うわあ」
ユイはその申し出に嬉々として泣きそうになりながら答える。
「ぜひ一緒に戦ってください」
「いやだっ」
ユイはルークを振り返る。
ルークは皆に背を向けたまま続けた。
「でも、まあ、戦利品いらないっていうんなら、パーティに入れてやってもいいけど」