「ああ。会議を開いたのは『トルーワ火山』の竜の巣。マグマが頭上から流れ落ちる巨大な空間」
「そこ知ってる」
「集まったのは現ギルドの主要メンバー20人。俺がギルドにいた頃とメンツがかなり変わってた。ギルド内でもPK祭りの件で意見が分かれて、反対派はギルドを脱退したらしい。俺とキャスケで祭りを辞めるよう説得を始めたんだが、まあ、予想していたとおり説得はうまくいかなかった。」
「うう」
「ユイが言うようにゲームの製作者側はPKを禁止していない。それと同様に祭りも禁止していないんだ。俺にできることは1つしかなかった。ギルド作成者の特権であるギルドの強制解散。会議終了と共に、強行したからこれで初心者警備隊と名のつくギルドは存在しなくなった」
「でも、それだけじゃ―――」
「―――そう、祭りの熱が冷め切らない奴らは、違う名前で新しくギルドを作るかもしれない。でも、今回の会議もまんざら無駄じゃなかったよ」
「なんで?」
「ギルド会議の告知をわざと『オートマトン -Online-』の交流掲示板にのせたから、火山の外には観客が大勢来ていて、俺たちのやり取りを聞いていた。ログアウトしたあとに掲示板を見に行ったら、観客の誰かが実況中継までしてたらしくって、祭りについて掲示板で多くのプレイヤーが議論していた。議論に参加せずにただ掲示板のやりとりを見ているだけのプレイヤーの数はおそらくその倍以上、だから祭りに対する流れが今度確実に変わって行くだろう」
「おお!!」
「それでユイに頼みがある。ルークにもし会ったら伝えて欲しい。祭りの熱が冷めるまでログインはできるだけしないように。……って俺、いつの間にかアレキサンダーモードになってしゃべっとるわ」
「うん、途中から気づいてたんだけど、あえて言わなかった」
結衣は笑顔で携帯の向こうに話し続ける。
「ルークは受験で忙しいみたいだから当分はログインしないと思うけど、ちゃんと伝えておくね。アレキサンダーさん、本当にありがとうございました」
「いいえ。遅くに電話してごめんな」
「ううん、忙しいのに本当にありがとう、話せてすごい元気でたよ」
「よかった。じゃあ、また」
「また?」
「そこ知ってる」
「集まったのは現ギルドの主要メンバー20人。俺がギルドにいた頃とメンツがかなり変わってた。ギルド内でもPK祭りの件で意見が分かれて、反対派はギルドを脱退したらしい。俺とキャスケで祭りを辞めるよう説得を始めたんだが、まあ、予想していたとおり説得はうまくいかなかった。」
「うう」
「ユイが言うようにゲームの製作者側はPKを禁止していない。それと同様に祭りも禁止していないんだ。俺にできることは1つしかなかった。ギルド作成者の特権であるギルドの強制解散。会議終了と共に、強行したからこれで初心者警備隊と名のつくギルドは存在しなくなった」
「でも、それだけじゃ―――」
「―――そう、祭りの熱が冷め切らない奴らは、違う名前で新しくギルドを作るかもしれない。でも、今回の会議もまんざら無駄じゃなかったよ」
「なんで?」
「ギルド会議の告知をわざと『オートマトン -Online-』の交流掲示板にのせたから、火山の外には観客が大勢来ていて、俺たちのやり取りを聞いていた。ログアウトしたあとに掲示板を見に行ったら、観客の誰かが実況中継までしてたらしくって、祭りについて掲示板で多くのプレイヤーが議論していた。議論に参加せずにただ掲示板のやりとりを見ているだけのプレイヤーの数はおそらくその倍以上、だから祭りに対する流れが今度確実に変わって行くだろう」
「おお!!」
「それでユイに頼みがある。ルークにもし会ったら伝えて欲しい。祭りの熱が冷めるまでログインはできるだけしないように。……って俺、いつの間にかアレキサンダーモードになってしゃべっとるわ」
「うん、途中から気づいてたんだけど、あえて言わなかった」
結衣は笑顔で携帯の向こうに話し続ける。
「ルークは受験で忙しいみたいだから当分はログインしないと思うけど、ちゃんと伝えておくね。アレキサンダーさん、本当にありがとうございました」
「いいえ。遅くに電話してごめんな」
「ううん、忙しいのに本当にありがとう、話せてすごい元気でたよ」
「よかった。じゃあ、また」
「また?」