テーブルには伏せられた手書きの封筒ともう一通の味気ない白い封筒がおいてあった。

 さきに結衣は手書きの封筒に手を伸ばす。糊付けされた封筒を除くと、中には便箋が2枚入っていた。

 水彩絵の具で描かれたような夏のビーチの模様の便箋だ。

「あぁ、今忠先生からだ」

「なんて?」

 結衣がビーフンを口に運びながらざっと目を通していく。

「ふむふむ。―――体調はどうですか?―――次のカウンセリングの予約を待ってます」

「それだけ?」

「要約するとね。うわぁ、今日のビーフン美味しい!」

「そう?混ぜて炒めただけだけど。……結衣、まだ長い時間バスに乗って、カウンセリングは行けないわよね?」

「うん、でもきっと行けるようになるから、返事書こうかな?」

 結衣は次にもう一通の味気ない封筒を開く。

「あれ?こっちも同じカウンセリングの病院からだけど、この差出人の名前の人、知らない」