「いつものようにPKするために、初心者エリアから出航する船に乗った。おいしそうな初心者がいたから、1撃で倒した」
ルークの声が、高い天井に反響して聞こえてくる。
「あいつ、初心者のくせにトレジャーバックに、レアアイテムで高値でトレードされてる『不死鳥のサークレット』を持ってて、おかしいとは思ったけど、いつものように奪ったんだ」
ユイはルークのぽつぽつ紡ぎだされる声に、黙ったまま耳を傾けている。
「そしたら、そいつ、警備隊の一員だったらしくて、すぐにそいつらが俺を捜し始めた」
「警備隊?」
「お前のフレの回復魔道士が属してた初心者警備隊だよ」
「ああ、キャスケさんのギルドね。」
「まさか指名手配されてるなんて思わなかったから、奪った『不死鳥のサークレット』を売りに出そうとしたとたんに、警備隊に俺が犯人だってばれて……。知ってるか?アレキサンダーが初心者警備隊の隊長から降りてから、PKに対する処罰が変わったんだと。」
(アレキサンダー、さん?!!)
「前は注意だけだったのに、今はネットに名前を晒して、一般プレイヤー全員で徹底的にゲームから追い出すことになったらしい」
「なにそれ…そんな権利、一般のプレイヤーにはないはずでしょ?!!」
「だから、間接的に追い出すんだ」
その瞬間、ユイの脳裏にアレキサンダーの言葉が蘇る。
『ゲームの中にもイジメがあって、ネットに名前を晒したり、パーティーを組まなくしたり、レベル上げの邪魔をしたり、キャラクターの個人のポストにゴミのようなアイテムを大量に送りつけて生産活動を停止させたりする。そうすれば実質、太陽神界での活動はできなくなる―――』
ユイはルークの隣に腰を下ろしながら口を開く。
「だから、こんなところに1人でいるの?」
ルークの声が、高い天井に反響して聞こえてくる。
「あいつ、初心者のくせにトレジャーバックに、レアアイテムで高値でトレードされてる『不死鳥のサークレット』を持ってて、おかしいとは思ったけど、いつものように奪ったんだ」
ユイはルークのぽつぽつ紡ぎだされる声に、黙ったまま耳を傾けている。
「そしたら、そいつ、警備隊の一員だったらしくて、すぐにそいつらが俺を捜し始めた」
「警備隊?」
「お前のフレの回復魔道士が属してた初心者警備隊だよ」
「ああ、キャスケさんのギルドね。」
「まさか指名手配されてるなんて思わなかったから、奪った『不死鳥のサークレット』を売りに出そうとしたとたんに、警備隊に俺が犯人だってばれて……。知ってるか?アレキサンダーが初心者警備隊の隊長から降りてから、PKに対する処罰が変わったんだと。」
(アレキサンダー、さん?!!)
「前は注意だけだったのに、今はネットに名前を晒して、一般プレイヤー全員で徹底的にゲームから追い出すことになったらしい」
「なにそれ…そんな権利、一般のプレイヤーにはないはずでしょ?!!」
「だから、間接的に追い出すんだ」
その瞬間、ユイの脳裏にアレキサンダーの言葉が蘇る。
『ゲームの中にもイジメがあって、ネットに名前を晒したり、パーティーを組まなくしたり、レベル上げの邪魔をしたり、キャラクターの個人のポストにゴミのようなアイテムを大量に送りつけて生産活動を停止させたりする。そうすれば実質、太陽神界での活動はできなくなる―――』
ユイはルークの隣に腰を下ろしながら口を開く。
「だから、こんなところに1人でいるの?」