「…ミッションクリアできたのは嬉しいんですけど…ちょっと」

「なに?」

 ユイがメンバーの方へ近づこうとすると、メンバーが後ずさりしていく。

「その人…」

 メンバーの1人がまっすぐ指差した先には、ルークが背を向けて立っていた。

「ちょっと!」

 アカネが言葉を遮るように声を発する。

「誰が助けてくれたのかは、問題じゃないわ!助けてくれたことに変わりないんだから!」

「でもなぁ…」

 気まずそうにメンバーが顔を見合わせる。

「何?ぜんぜん分からないんだけどどういうこと?」

 ユイがアカネに問いかけるが、アカネはうつむいたまま何も言わない。

「なんだよ、あんた知らないの?もしかして、しばらく『オートマトン -Online-』入ってなかったとか?」

 別のメンバーがいやみを言うように、ルークを指差す。

「あいつに関わると、まじで、やばいんだよ。なぁ?」

「うん…」

 メンバーがお互いにうなずきあう。

「やばいって…?」

「あんた、フレなら直接聞いてみたら?」

「おい、早く行こうぜ。ミッションの報告しないとミッションクリアにならないし、それに、あいつと一緒にいるとこ見られたら、やばいよ」

「最悪なパーティーだったな」

 そう捨て台詞をはきながら山を下りていく。