「ってなわけでさ、俺……しばらく外に出られねーみたいなんだ。暇なんだよね。だからさ、よかったら勉強教えに来てくれね?」
は……えっ……!
教える準備してなかった……。
あのまま話は無くなっちゃうと思ってたから………。
「それはちょっと………。」
下を向く。
「どうして?また今度って言ったよな?」
そ……それはそうなんだけど………。
「そうだけど……。そんな急に言われても……。」
「そんなに俺に教えるのが嫌か?」
少し食い気味に返された。
別に嫌なんじゃないんだけど……。
ただ教えるのに自信がない。
「ならいいや。ごめん。」
下を向いていて顔は見えなかったけど少し残念そうな怒ったような声で郁哉は答えた。
怒らせ……ちゃった?
「ベッドに戻る。」
それだけ言って郁哉はイスから立ち上がった。
「あ、待ってっ!」
「……何?」
やっぱり……。
郁哉の顔を見ると怒ってた。
「……いよ。」
ちょっぴり焦っちゃって声が小さくなっちゃった。
「ん?何?」
そんな顔しないでよ……。
いつも笑ってるからそんな顔されたら怖いよ……。
「…だから……いいよ。明日から……教えに来る。」
ちゃんと教えられるかほんとにほんとに不安だけど、郁哉にそんな顔させちゃうんだったらやるっ!
これからもそんな顔されちゃうんだったら頑張るよ………。
「………。」
もう……遅かった……?
何か話してよっ!
「ふ………はははははっ。」
………へっ?
どういうこと………?