「よっこらせ。」
慣れたように郁哉は自分のベッドに上がった。
「希も座りな。」
そして私の分のイスを用意してくれた。
「ありがと。」
「これでほんとだって信じた?」
ギクッ。
まただ。
どうして郁哉には私の考えとか分かっちゃうの?
超能力でもあるの?
なんてね。
「うん……。じゃあ大したことないって言うのも本当なの?」
「ああ。本当だよ。」
よかった。
今度はちゃんと信用できそう。
だって優しいいつもの郁哉の顔なんだもん。
「あれ?いっくんの彼女?」
隣のベッドからかわいい感じの声が聞こえた。
誰だろう。
カーテンが閉まっててわかんない。
「だから違げぇって!」
「だからって私初めて言ったんだけど。」
「ったく。カーテンくらい開けろよな。初めて希に会うんだったらよ。」
「知ってるでしょ?何回も言わせないでよ。人見知りなんだから。」
………なんか忘れられる感じがするのは気のせい?
謎の女の子の声と話す郁哉の声。
私と話す時よりもいきいきしているように聞こえて───