「もうってどういうこと?」
「あー。俺中学のときバスケやってたんだよね。」
バスケのシュートフォームをしながら郁哉は言った。
「もう……やめちゃったの?」
「ばーか。病気なのにできるわけねーだろ?」
「でも……まだ好きでしょ?」
「そりゃな。」
すごく悲しそうな目をしてる。
本当にバスケ好きなんだろうな。
「大丈夫だよ。治ったらまたできるよ。」
「だな。できたらいいな。」
なんて話しながらゆっくりと私と郁哉は病院に向かっていた。
「ここの8階。」
エレベーターでそこに向かう。
まだ……わからないよね?