「ほら……やっぱそんな顔するだろ?だから話すの嫌だったんだ。」
………当たり前だよ。
友達だって思ってたひとが急に病気だなんて言われてああそうですかって聞き流せる人なんているの?
「バ……バカ。なんで……もっと早く言ってくれなかったの?なんで黙ってたの?」
あれ……なんで私怒ってるの?
「そんな大声あげなくたっていいだろ?俺だってお前に言うのどれだけ迷ったことか。」
分かってる………自分が病気だなんて友達になるべく言いたくない。
でも……でも私は郁哉の友達だよ?
なんでもすぐに話して欲しかった。
友達と思ってくれてるんなら───
「最近俺がいつも昼までに帰るのが遅せぇから宮沢さんに怒られてさ。しばらくベッドで謹慎的な?」
「それは……本当なの?」
優しくてなんでも知ってる郁哉を信じたのに………。
もう信じられないよ……。
「入院してるって……そんなに大変な病気なの?」
「いや。そんな対したことねーよ。」
その笑顔も……本物?
「ったく……なに嫉妬してんだよ。」
「っ………。」
「俺だって迷ってたんだ。自分勝手もいい加減にしろよ?」
「………。」
やっぱり………自分勝手なんだ……私。
変わったつもりだったけど……まだまだだめなんだね。
「ごめん……なさい。」
情けない……。
「おいおい。また泣くのか?」
え………。
気づかないうちに涙が一つ二つこぼれ落ちた。
「でも今回は俺が悪い。なにキレてんだよな……。」
「違うっ。私が自分勝手だからいけないの。」