「なに言ってるの。見つけなよ。夢。」

「別に無いわけじゃないんだけどな。」

「そうなの?なに?」



へぇー。

郁哉あるんじゃん。

気になるな。



「気が向いたらいつか話してやるよ。」

「えー。今がいいよー。」

「やだね。」



どうしてよ……。

まあ別にいいんだけどね。

いつかは話してくれるんだから。

そのときはこっちだって冗談言ってやるんだからね!



「医者か……。」


郁哉は後ろに手を組みながら言った。



「ん?」

「んじゃお前……勉強すげーできんじゃねーの?」



なんでそんなに興味津々なの……。



「ま……まぁ……ね。」

「マジかよ。教えてくれねーか?」


へっ……!

私が?勉強を?



「な……なんでよ。勉強したかったら学校行けばいいじゃん!」

「だから無理なんだって。つーか希に教えてもらいてぇんだよ。」



そんなこと言われてもなぁ……。

そんなことやったことないし……。 



「そんなの……無理だよっ。」

「なんで?あ、勉強できないのか?だったら悪りぃ。」

「ち……違うよ。自信ないの!」

「んじゃ分かった。俺の夢は勉強できるようになること。だから協力してくれ。それならいい?」



な………。


「………。」


思わず郁哉の言葉を無視してしまった。



「なんだよ。お前の相談に真剣にのったのに俺の気持ちは無視か?」



そ……そんなわけないんだけど……。