少し真剣な顔つきで話す郁哉を見て私は聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がした。
「行って……ないの?」
「そ、行ってない。バカだから。」
本当?
それだけの理由であんな真剣な顔するの?
でもそれ以上は聞かないほうがいいかも知れない。
言いたくないことくらいあるもんね。
「ごめんなさい。変なこと聞いて。」
「いーのいーの。ここにいるとよく聞かれることだから。」
笑いながら郁哉は返してくれたけどほんとにそうなの?
「ここにはいつも1人で来るの?」
「そ、俺には友達いねぇから。」
………だから私に友達になって欲しいって言ったのかな?
ちょっぴり不思議な人だけど悪い人じゃなさそう。
「私で良ければ……友達になるよ?」
「昨日はあれだけ嫌がってたのに?」
「あれは……ちょっとイライラしてたから……。」
「ありがと。ではぜひお願いします。」
頭を下げてお願いされちゃった。
ほんとに不思議な人。