夕焼けに照らされた教室には、俺と蘭がいた。なかなか口を開けない俺を待っているのか、蘭は一切喋らなかった。

やっと、勇気を振り絞り言葉を発した。

「蘭、手紙読んだ?」

すごくどうでもいいことを聞いてしまった。俺は蘭の本音を聞こうとした。

「ぅん…。なんで言ってくれなかったの?蘭のことは気にしなくていいから相談してほしかった…。

電話もメールも返ってこないし。
どれだけ心配したと思ってるの!」

一生懸命に言っている蘭が俺のことをどれだけ大切にしてくれてたか、今実感した。

でも、俺は蘭を取り戻してはいけない、そう心で呟き、嘘の言葉をぶつけた。