無事、宿題を終わらせることができた。



「…じゃ、戻るわ」

「うん」



彼は部屋から出ようとした。
…でも、彼にあたしの気持ちを伝えたかった。
あたしの心を変えてくれたことを。



「ありがと…!…お兄ちゃん」



顔が熱くなるのが分かった。
自分でも驚いた。
人見知りのあたしが初めてお兄ちゃんと呼んだ。
兄は足を止めた。



「…当たり前だろ。俺の妹なんだから」



そう言って、部屋を出た。
嬉しかった。
そして、兄が少し笑ってくれたような気がした。

あたしにとって、彼はとても尊敬する大事な人となった。