だから私は、ついつい彼のほっぺたを撫で続けながら、お願いしてしまう。

キスして? と。

見つめて、見つめられて、見つめ返して、見つめ返されて。

私は視線の交錯に祈りを含ませる。

キスして。

その金の瞳でイヤというほど私を虜にして。

たった一度のキスでいい。

私の唇に、触れて。

我慢ができなくて、少しずつ彼へ顔を近づける。

彼はそんな私を金色で魅了しつつ、いやがる素振りは全然見せない。

そして、お互いの鼻先が触れあった瞬間――


ぺろ。


と、彼は私にキスをした。

その時感じる、彼の舌の、ざらざら……

ぁ、は……。

一気に私はとろけてしまった。

枕に頭を、ぽふんと落とす。