寝てるのよね?
寝てるのよね?

なのに、そんな……母性本能をくすぐられまくって、私は一気に昇天してしまうくらい、幸福感に溺れた。

――と、その時、彼が身じろぎした。

あら、なんて思っている間に、彼の目がぼんやりと開く。

私の大好きな、そして私を魅了してやまない金色の目が、ジ、と見つめてくる。

おはよう、と私は口の動きだけで言った。

けれど、自分勝手でわがままさんな彼は私の挨拶を無視。

ぐ、ぐーと伸びをしながら、まぶたを閉じてしまった。

あら寝ちゃうの? なんて思っていると、また現れる金の瞳。

少しぼんやりした眼差しが、私を一直線、捕らえて離さない。

瞳の鮮やかさに。

彼の一直線に。

私のすべてが撃ち抜かれてしまう。