………プルルルルル……プルルルルル…。電話だ。

「はい。こちらは○○デパート担当の梓です。」

……梓は名前ではなく、私の名字である。
私はいつもどおり、マニュアルどおりに応対をした。

「………。」

返事が無い、電波が悪いのか雑音ばかり聞こえる。

私は『ただの無言電話か…』と思い電話を切ろうとした。……だが一応もう一度問い掛けよく聞いていると何かを言っているように聞こえた。


「殺して…る。女……。山の中…。お前が……れば、た………かも…ない。早く……い。」


囁くような声でよくは聞き取れなかったが、確かに『殺してやる。』って言った…そして私に…助けたかったら来いって…。

………ドコニ?
山?…ドコ?


私はただのいたずらだと思い電話を切った。