道。



どれ程歩いただろう。どこまで続いているのだろう。終着はまったく見えない。


目が暗闇になれてきた私は周りを見回してみた。



左右にある木だと思っていたものは「木」ではなくすべて人間の亡骸だった。
無数の亡骸が無造作につるされている。
よく見るとみな首から上が無い。肉屋かのようにフックで吊されている。


見えてしまうと先程から鼻をつく臭いが死臭だと分かり吐き気が込み上げてくる。



無数の亡骸。


夥しい血。


漂う死臭。



先程までの現実はどこへ行ってしまったのだろう…


私の…つまらないけどありふれた日常はどこへ行ってしまったのだろう…。





私はさらに奥へと足を進めた。