恥ずかしさで訳分からなくなっちゃって
傘を拓哉に無理やり押し付けて雨の中走って帰った。

家に帰ってママに怒られる。
だって上から下までビショビショだったから。

拓哉は次の日几帳面にたたまれた傘を私に渡した。

「ありがと。」
ってまた小さな声で呟きながら。


「ききききのう、変なこと言ってごめんなさい!」

私はまたしてもテンパって大きな声で謝ってしまう。

拓哉は優しい笑顔を浮かべて
自分の席に戻っていった。

しばらく胸がドキドキして
仕方なかったけど


拓哉が朝花柄の傘を持って登校してきたところを想像してにやけてしまった。