私は玄関を開いて傘を広げる。
「じゃ…ど、どうぞ…」
「うん…失礼します」
拓哉は遠慮がちに近寄ってきてひょいっと頭を下げて傘に入った。
そしてすぐ傘を持ってくれる。
拓哉は背が高いし私が持ってたら頭ぶつかっちゃうもんね。
「今日、雨強いね…」
「そうだね…」
そういえば、私の傘花柄だった。
恥ずかしかったかな。
拓哉、ごめん。
そうして歩き始めたけど、私、相合傘初体験だ。
小学生の頃、友達が黒板に相合傘書かれてひやかされてたのを突然思い出して顔が赤くなった。
まわりからみたらカップルみたいに見えちゃうのかな、って。
「あ、あの!ごめんね!」
「え……何が?」
「ほら!相合傘みたいになっちゃって」
「えっと、俺の方こそごめん」
あまりに恥ずかしくて俯いていたから赤信号渡りそうになっちゃって
拓哉に肩を掴まれる。
また顔が赤くなった