「私この森の
 妖精なの。」

大きな綺麗な涙を
流しながら
樹姫は言った。

「妖精は大好きな人間に
 自分のことがばれる前に
 好きといってもらえれば
 人間になれるの。」

「ちょっと待て、嘘だろ」

「嘘じゃないよ。
 もう行かなきゃ。
 さよならだね。」

樹姫は涙で
ぐしゃぐしゃになった
顔で笑ってみせた。