愛も涙をためて
樹姫の前に立った。

「幸樹はあたしの彼氏なの。
 あたしの幸樹なの。
 とらないで。」

愛もついに泣き出してしまった。

「私はあなたが幸樹と
 出会う前からずっと
 好きだったの!」

「けど幸樹はあたしに
 愛してるって言ってくれたもん」

「好きじゃなくても
 口でなら言えるわ。」

「うるさい!
 妖精は人間の気持ちは
 分からない!」