「あ、照れてる」
工藤くんはそう言うと優しい笑顔
じゃなくて私が見たことのない、
いたずらっ子みたいな笑顔を見せた。
この人…絶対いじわるだ。
『てっ照れてない。』
正直、ドキッとはした。
びっくりした。
「でも、ちょっとドキッとした?」
工藤くんは、そう言ってまた
いたずらっ子みたいな笑顔を見せた。
工藤くんはずっと笑っている。
なんか悩みがなさそう。
工藤くんの笑顔は元気がでてくる。
君のことを知りたい。
初めて思った。
今日初めて話したのに、君のことが
もっと知りたい。
『ねぇ、光ちゃんって呼んでいい?』
いきなり私があだ名で呼んだから、
光ちゃんは目を見開いていた。
あ、やっぱり図々しかったかな…。
後から後悔が押し寄せてくる。
「じゃあ、ナツ!」
私の…名前知ってたんだ。
正直、隣の席なのに、一度も光ちゃん
とは、話したことがなかった…はず。
光ちゃんはいきなり叫んで、さっきまで
驚いてたのに、また笑顔だった。
ほんとずっと笑ってる。
「あー…だめ?」
私が何も言わず固まっていたから、
落ち込んだのかシュンとしてる。
ヒョウが落ち込んでる…
上目遣いで見て今にも
泣きそうな顔をしていた。
きゅん
(かっ可愛い…)
こんな顔するとかやっぱずるい。