私は身動きがとれなくて目を見開いて
固まってしまった。
とくん
とくん
鼓動が大きく跳ねる。
工藤くんに聞こえるくらいにうるさい。
とくとく
とくとく
とくとくとく
徐々にはやくなる鼓動。
工藤くんにつままれてる人差し指の
指先が熱っぽい。
「手、ちっちゃい。」
机に伏せたまま工藤くんは私の手を
しばらく見つめて、ぱっと離した。
『そうかな…じゃあもう少し大きくなる
ように頑張る。』
「え、なんでそうなるの」
工藤くんはそう言いながらいつもの
陽だまりみたいな笑顔で微笑んだ。
私も自然と笑顔がこぼれた。
すると机に伏せていた工藤くんは
起きあがって
「柏木さん笑ったら可愛い」
いきなり言ってきた。
ずるい…
不意打ちとか。
可愛いとかそんなの言われなれてない。
じわっと顔が熱くなるのがわかる。