「へ…」



振り払われた手が行き場もなく宙をさまよう。




私の手を振り払ったのは秋野くんで赤松くんも驚いたように秋野くんを見ていた。




そして秋野くんは強引に私の腕をつかみ、引き上げる。




「……さっきはカバンを強く渡しすぎて悪かった。」




秋野くんは俯いていた。




「あ、きのくん…?」




なんだか、様子が変だ。




「わり、用事できたから先行くわ。」




そう言って走り出す秋野くん。本当、どうしたの?