秋野くんはギョッとしてうろたえてる。
「いえ、嬉しくて…っ……」
秋野くんが弟子だって認めてくれた。それだけで嬉しい。
「へぇ、本当飛鳥のこと慕ってるんだね。」
佐野さんが感心したように言う。
「だからって泣くなよ…」
秋野くんは呆れたようにそういう。
「あ、じゃあさ、弟子なら飛鳥の手当てしてやってよ。」
佐野さんにそう言われる。
「へっ、私がですか?」
「うん、そこの救急箱好きに使っていいからさ。」
秋野くんの…師匠の手当て……!
すごく、弟子っぽい。
「やらせていただきます。」
秋野くんの前に座り、救急箱に入ってる消毒をガーゼにつける。
とりあえず、これを唇の切れてるところに当てるか。