「飛鳥様、その方は?」
佐野は不思議そうに相川をみる。
「……弟子かな。」
友達でも恋人でもない関係。俺は弟子と答えるしかなかった。
「さようでございますか。」
堅苦しい敬語を使ってくる佐野。
年齢、そんなに変わんないんだよな。
「おい、いつものように接しろよ。」
俺がそういうと佐野は少し笑ってネクタイを緩めた。
「そうだな、旦那様もいないし。で、その女は誰なんだよ。弟子とか、ウケる。」
「とりあえず説明は後だ。こいつのカバン、教室にあるから取ってきてくれないか?俺が行くと誤解される。
同じクラスの俺の隣の席で相川ってやつだ。」
俺がそう言うと佐野は車の扉を開けてから教室に向かった。
その間、俺は相川を車に乗せてシートベルトをさせる。
俺もその隣に座る。