「で、大丈夫だったの?何もされてない?」
「…うん、私は大丈夫。でも……」
私もつい最近まで秋野くんを誤解してた。
怖いけどそれ以上に優しいのに、それに気づこうともしなかった。
「でもね、香織ちゃん、秋野くんは悪い人じゃないよ。
授業サボるし、睨んでくるし、病院送りにした人の数3桁とか言ってたけど…」
「さ、3桁⁉︎やっぱ関わるのは危ないわよ!」
香織ちゃん、最後まで聞いて。私の話はまだ終わってないの。
「でも、とても優しいんだよ。昨日の朝冷たくしたのも私のためだし、さっきだって泣いてる私を慰めてくれたもん。」
慰めてくれたというより、戸惑って謝ってくれたって言った方が正しいかな。