「秋野くん、なんで喧嘩ばっかするの?」



私がそう聞くと秋野くんは一瞬だけ固まってからベンチに寝転がった。




「……理由なんてねぇよ。」




いま、一瞬だけ間があったのは……気のせい?




「あ、きのくん……?」




秋野くんは腕で目を隠すように覆う。




「とりあえずおまえは授業でろ。もう始まるぞ。」





近くの時計で確認するとあと5分でHRが始まる時間。




「ひゃっ、本当だ!ごめん。秋野くん先行くね!」




ダッシュで教室に戻るとギリギリ間に合った。