しばらく無言状態で歩いて、先に口を開いたのは秋野くん。
「今日は……悪かったな。変なとこ見せて。」
それは、全然いいよ。
傷つかなかったといえば嘘になるけど秋野くんは何も悪くないもん。
「秋野くん、お願いがあるの…」
人の家庭に首を突っ込むなんて、非常識すぎるってわかってる。
「ん?なに?」
だけど私は、秋野くんの全てを知りたい。
「秋野くんのお父さんのこととか、教えて。」
私がそう言うと秋野くんは一瞬渋い顔をしてから頷いてくれた。
「わかったよ…だけど、離れていかないって約束しろよ?」
「うん…わかった……」
今から話される話は、きっと大事な話だ。