“ありがとう”




上から降ってきた声。




その低い声を、私は知っている。




抱きしめられてる…私




顔をあげると、そこには優しい顔をしていた涼太がいた。




抱きしめられていた力が弱まって、向き合うような形になる。




「綺麗だね」



「うん」




花火が綺麗だけど、それどころじゃない。




私の心の中は、ドキドキと嬉しさで溢れている。