「智樹、早くしてよー。」

「待てよー。」

「早く早く!今日は入学式なんだから!」

「はいはーい。」

私の名前は島津由華穂。

そして、今登校の支度をしてる幼なじみのこいつは、原川智樹。

そう、今日は待ちに待った、高校の入学式。

私は早く行きたくて行きたくて仕方ないのに、智樹は、いつも通りのマイペースぶり。

…まぁ、もう慣れたんだけどね。

でも、智樹は本当に大人っぽくなった。

家が近くて赤ちゃんの頃から一緒にいるけど、小さい頃は背が小さくて、守ってあげたくなるような可愛さがあった…。

今はというと、顔はそこそこ整っていて、背はすんごく高い。

そして女子にモテる。

いつから、こんなやつになったんだろうか…。

そんなこいつと幼なじみで、結構友達からはうらやましがられるけど…。

別に普通にもっとイケメンいるし。

何がいいんだかわからない。

「由華穂ー。準備できたー。」

「ほんっと、遅いんだから。」

「遅くてごめんさい。」

「はいはい、学校行くよー。」

「へーい。」

これから始まる新しい生活。

私はウキウキしてたまらない。

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チャリをこぐこと、50分。

「つ、着いたぁーー!」

「本当疲れたよ、俺は。」

「何言ってんの!野球バカが!」

そう、智樹は昔から野球一筋。

野球以外何も興味ないらしい…。

「クラス表見に行くよー!!」

「おう。テンション高いな。」

「当たり前!これからの1年間が、クラスメイトによって決まるって言っても過言じゃないんだから!」

「大げさだなー。ま、見にいこ。」

そんなこんなで私たちはクラス表を見に行った。

A組…… いない。

B組…… いない。

C組…… あった!!

「私、C組だぁー!智樹は?」

「俺もC組だ。」

「え!うそー!同じクラス?」

「そうみたいだな。」

「嬉しいんだか、悲しいんだか…。」

「悲しいんだかってなんだよー。」

「えへへ、まぁ1年間よろしく!」

「おう!」

1年C組13番 島津由華穂。
1年C組34番 原川智樹。

よーし、1年間このクラスで楽しむぞ〜