「なんで?3年生だから?」


私が理解できず聞き返すと


「お前俺の事知らねぇのか?」



そう言って起き上がった男。


「?え、なに?みんな知ってるの?

え、テレビとか出てる?」


と私が聞くと男は吹き出した。



「…クックッ…ちげぇよ。」

必死に声を噛み殺して笑う男に釘付けになった。


だって、今この人 私の前で笑ってるよ。



何その顔、こんな顔して笑うの?



いつもの怖くてきつい印象とは真逆で


細くなった目。

少し下がった目尻に白い歯。


いつもの怖さは全く感じさせない
そこにいたのは、初めて見た太陽みたいな笑顔の男の子だった。