私は男の後ろで目を瞑って上を見た。 夏になり始めた5月中旬。 初めてのバイクの感覚は今でも覚えている。 目の前には私よりも2倍以上広い大きな背中 全身で感じる生温い風。 あぁ。夏が来るな 何て思い気がつけばいつもの癖で鼻歌を口ずさむ。 聞こえたのか男はフッと笑った気がする。 強い太陽の日差しの下 キラキラ輝く風でなびく金色の髪の毛は まるで目の前に太陽があるみたいだった。