学食に行っても、中庭に行ってもあの人はいなくて
その日私があの人に会うことはなかった。
いつも通り帰ってきた私はすぐに
デニムのハイウエストパンツとショート丈の薄手のトップスに着替え
『水野フルーツベジタブル』と言う看板がある八百屋に走って行った。
「やまっちー!愛美ー!今日もお手伝いさせてもらいに来ました!!」
と敬礼のポーズをピシッと決めると
「いつもありがとな」とやまっちに頭をガシガシなでなれた。
「パパからしたら私と魅音2人娘みたいなもんだからね」
と笑顔で言う愛美に
「まぁ、1人は半分息子みたいな…」
ドカッ
余計なことを言ったやまっちに愛美の蹴りが入った。
「なんか言った?」
「ゲホッ…何もないです愛美ちゃん。」
ちゃんを強調して言ったやまっちに愛美は勝ち誇った顔をしていた。