「3日前の夜、両親が見守る中

植物状態だった流星が目を開けたんだよ。


太陽は『バックの中。』途切れ途切れだったけどそう言った。

『ありがとう』そう言い残して、意識を手放したよ。


その後脳死だと判定された。



バックの中を見るとドナーカードが入っていたらしい。」


私は言葉に詰まった。


「ドナー、カード?」


「そのドナーカードには腎臓の所にだけボールペンで何重も丸をしていたよ。


流星の意志を尊重して、両親は腎臓を提供した。

太陽の腎臓と適合した流星の腎臓は、太陽に提供された。


2日前、太陽に入った 太陽の生きる元になる綺麗な腎臓は


間違いなく、流星の腎臓だよ。」