「……ここで働いてるのか?」



私の事を思い出したのか、その人が口を開いた。


「いや、働いてるっていうか…」



「ふん…まぁいい…ケガはないようだな。」



「え?」



あぁ!そうだ……地味に助けてくれたんだよね?


この人がいなかったら、完璧に骨折とか…打撲とか…下手したら死んでたかも。



「…じゃあな。」



「あ、あの!!ありがとうございました!」



「………」



行こうとしたその人、立ち止まって何か考えている…?



「……俺は…リュウ。お前は?」



「え…わ…私?…私は…ユナ…です。」



「ユナか……またな。」


「あ、はい。」



行っちゃった…



なんでいきなり名前…?


リュウ…



リュウもこのお城の人なのかな…



あれ、でもフリージアが私の事知らない人はいないって…



わかんないなぁ…



…戻ろ…




お腹が空いてたはずなのに…どこかに飛んでいったみたいで。



頭の中はリュウのことでいっぱいだった。