長い…長ぁ~い廊下。
所々に綺麗な絵や彫刻が飾られていて。
これ一個でいくらするんだろう?
売ったら当分の生活費が…
と、年々減り続けるお父さんの給料を心配するお母さんの気持ちになってみた。
そういえば…今何時だろ?
普通なら、誰か通っても良さそうなのに…
後ろを向いても、前を向いても、人の影すら見当たらない。
《ぎゅ~ぎゅるるる》
「あぁ…限界……」
食べ物~!!
あ……あれは!!
窓の外、すごく高い塀の内側に立つ一本の木。
何本かある木のうち、その木だけに実がついていた。
「た…たべれるかな…」
窓にへばりついて見る。
なんだかよだれも垂れる。
もう何でもいいから、食べないと…飢え死にする!!
必死に出口を探した。