「お兄ちゃん…その格好…」
「なんだ?何か変か?」
変も何も…ディ〇ニーの白雪姫とか、シンデレラに出てくる王子みたいな格好して…
「ぶっ…」
思わず吹き出してしまった。
「なんだ?急に笑い出して、変な奴だな。」
そう言って、耳の後ろをポリポリ掻く。
「あ…それ…」
その癖は、やっぱりお兄ちゃんと同じで、偽物ではないと悟らざるをえなかった。
「ユナ様は、今記憶喪失なんです。」
「ちょっと、フリージア!」
口の前に一本指を立てる。
「記憶喪失?お前が?」
「ち、違うの!なんでもないから…着替えるから出てって!!」
お兄ちゃんを部屋から追い出した。
「はぁ…緊張しました…」
フリージアは顔を真っ赤にして頬に手を当てた。