「いた…」
いったいどうやってそこに辿り着いたのか、私は大きな鏡の前に立っていた。
あの時…夢で見た鏡。
ユナ姫の姿はそこにないのに、私はユナ姫がそこにいると確信していた。
「ユナ!」
「ユナ様!」
少しして二人も追いかけてきた。
「…なんだこの鏡は…?いったい…」
リュウの住むお城のはずなのに、リュウは鏡の存在をしらなかったようだ。
これも空間の歪みとか、そんな感じなんだろうか…
「ユナ様、いったいどうしたのですか?」
イベリスも全く訳が分からないといった風だ。
「ここに…ユナ姫がいるの」
「「?」」
きっと二人の頭の上には[?マーク]が浮かんでいるんだろう。
それでも言わずにはいられなかった、なんだかユナ姫が私に助けを求めているように聞こえたから…
「本物の…ユナ姫がいると…?」
妙な沈黙を破ったのはリュウだった。
「本物の…?まさか…」
次に言葉を発したのはイベリス。その言葉の意味から、彼も私が本物ではないと気づいているように感じた。
「…イベリスも気づいていたの?」
私が聞くと、イベリスの顔が少し曇るのが分かった。