うわぁ~どうしよう…私ってばなんて早とちり…
そうだよね…時計をもってたからって、一緒の世界の人だとは限らないんだよね…
例えばトレニア様が私と同じ世界の人で、リュウに何らかの事情で預けたってことも考えられる訳だし…
「あ゛ー!!!私ってばバカバカ!!」
こんな簡単なことにも気付かないなんて~!
「……おい……?」
はっ!
完全にトリップしていた私は、リュウの怪訝な顔にようやく気付いた。
「あ……あの、んと……今…のは…ですね……」
ひ~ん!ど~しよ~!
「ユナ……いい加減話してくれないか?君は何者なんだ?」
「へ?」
なんだか今の言い方……まるで……
「ずっと気になっていた…君は誰なんだろう…と」
「え、な…なん…」
もしかして…ばれてた?
「最初はわからなかったんだ…でも…君があの実の存在を知らないのは変だと思った」
「あの実…?」
あの…アロエ的な実のこと?
「最初はただのバカなのかと思ったが…あの実…ジユの実は、シャカーワ国の象徴となる植物だ、一国の姫である君が知らないわけがない」
「………………」
そんな実だったなんて……
知らないのも無理はない、私は…私は…
ユナ姫じゃないんだから…
急に力が抜けたのか、私の体は床に墜ちた。
「ユナ!!」
もう…隠してはおけない…
リュウに知られてしまう…
私が本物の姫じゃないこと…
いつかは元の世界に帰らなきゃいけないこと…
リュウと…離れなきゃならないこと…