城までの帰り道。



リュウは足の遅い私に合わせて、少しずつ歩幅を合わせてくれた。



たわいない会話をしながら、リュウの笑顔にいちいちドキドキする。



本当は、このままこの世界にいてもいいかな…なんて思ってしまう。



でも…



そう思うたびに、ユナ姫の顔が…声が頭をよぎるの…



きっと、私とユナ姫が入れ替わったこと…時間が止まったことは…



この世界に影響を及ぼしている…



もっと…大変なことが起きる…



そんな気がする。



だから…



私は帰らなきゃいけない…



いけないんだ…



けど…




今だけ…



今だけ…




忘れてもいいかな…



城に着くまでの間だけ、リュウを…好きでいさせてください。