「またね、涼。」
「うん、またね、夏鈴。」
クラスが違う涼と廊下で別れ、自分のクラスへと向かう。
花桜中(略して花中)は、2年生だけでもA組からE組の5クラスもあって、
県内でも大きい方の中学校。
だから当然、人数もすごく多い。
ひとクラス40人近くいるんだよ。
「「あ、夏鈴おはよー!」」
廊下の突き当たりから2つ目のクラスに入るとすぐに、2つの元気な声が聞こえてきた。
「おはよ、ひまり、志於(sio)!」
それに、わたしも元気に返事をする。
この声の1人目持ち主は、西条(saijyou)ひまり。
ひまりとは小学校が同じで、2年生でクラスが一緒になりまた話し始めた。
昔からとても優しくて、他人思いで、それに加えてすごく美人さん。