「紫か?あいつは来るやつ拒まないからな。でも、今日は俺が抱いてやるよ。紫は明日にしな」


そう言い近づいてくる。


私の唇との距離1㎝。


「……いい」


「は?聞こえねーよ」


「キスしたいならすればいい!!それで佐野さんが満足するなら。……結花さんから佐野さんのこと聞きました。ツラい過去だって。玲はまだその過去から抜け出せれてないんだって」


「っ!!結花のやつ……まぁいいけどさ。でも、お前に何ができる?俺の何が変えられる?何もできねーくせに言うんじゃねーよ!」


「私、やる前からできないって決めつける人大嫌いなんです。確かに私には何もできないかもしれません。でも、やってみないと分かりませんよね?……私、絶対に佐野さんを変えてみせますから!!」


私はいつの間にか走り出していた。