慌てて教室を出たのはいいものの、この学校のこと何も知らないしー!


佐野さんと山本さんがどこに行ったのか分かるはずもなく、迷子になりかけていた。


てか、迷子になってた。


「あれ?朝のかわいい女の子じゃん。美琴ちゃんだっけ?どーしたの?」


声をかけてくれたのは久麗さん。


その後ろには梨上さんもいる。


梨上さんは私のことをものすごく睨んでいるけど…。


「あの、佐野さんと山本さんがどこに行ったのか知りませんか?先生に連れ戻してこいって言われたんですけど…」


「おー!そーかそーか!俺、場所知ってるから連れて行ってあげるよ!」


笑顔で言ってくれる久麗さん。