♪~


私が通っている幼稚園の2階から音楽が

聞こえる。


最近になって、幼稚園が終わると決まっ

て聞こえるようになった。


「なんの音だろう?」


2階に上がって、背伸びをしてドアの窓

を覗く。


「わぁ!」


私より年上のお姉さんたちが1人の女の

人のことをじっと見つめている。


私はその女の人に釘付けになった。


「私もあの人みたいになりたい...」


「あの!」


バタンッ


気がつくと私はドアを開けて大声で叫ん

でいた。


部屋の中にいた人達が一斉に私のことを

見る。


急に恥ずかしくなって下を向くと、真上

から声が聞こえた。


「見学してみる?」


優しい笑顔で、さっき見ていた女の人が

話しかけていた。


『見たい見たい見たい!』


私が必死に頷くと、またニッコリと笑っ

て端に置いてあるイスに座らせてくれた




「そこで見ててね。」


何をしてるとか、何を言ってるのかは全

然分からなかったけど、私の心は踊った




「どうだったかな?」


「とても楽しかったです!」


「そっか(^^)

一緒にレッスンしてみたい?」


「私もあんな風に出来るようになりたい




「じゃあ、家に帰ってお母さんにその事

を話してみてごらん?

習っていいって言われたら、またおいで

?」


「はい!

ありがとうございます。」