一階に辿り着くと、霊久車の運転手が待ち構えている。

頭の方から霊久車に滑らせ、足の側に運転手が素早くまわる。

持ち手を運転手に預け、最後に奥まで押し入れ、リアの扉を閉めた。

合掌……である。

直ぐ様、スタッフが回してくれていた軽自動車におばあさんを導き、女性スタッフ一名と車に乗り込んだ。

ハンドルを握る手は、先程の棺の重みで小刻みに震えている。


手に残る想いの感覚。