最後に「じゃあね……。」そう言ったおばあさんは、僕に振り返り頷いた。

二人にはもう、これ以上の時間は必要ない事を知り、僕はそれを見て棺の蓋を手に取った。


別のスタッフと二人で静かに棺の蓋を閉じる。

永遠の別れである。

おばあさんはそれをただ黙って見ていた。

最後の別れはこうして閉じられたのである。