献花の途中……。

一本の大きな百合の花が籠に混ざっていた。沢山の小さな花に埋もれ、籠の中からひっそりと顔を覗かせた百合の花。

祭壇のメインになっていたその百合の花を見付けると、

─うわぁ、大きいのがある、綺麗やわぁ。

おじいさんに一言そう言うと、

─これは最後にしましょう。

大好きなおかずを最後にとっておくように、一度手に取った百合の花を、優しく籠の中へ戻すおばあさん。